日本の消費税と世界各国の消費税

消費税レストランイメージ 2019年現在の日本の消費税8%というのは先進国の中では際立って低いです。消費税10%になってもやはり低い。

一律の税率ではなく食料品と贅沢品は別の税率にしている国もあります。
アイルランドのように消費税率は21%だが、生活必需品は0%。 なんていうはっきりした税率にしている国もあります。
イギリスもそうですね。

消費税率だけを比べてもなかなか本質を議論することはできませんが、 当サイトでは中立な立場で世界各国の消費税、日本の消費税を見ていこうと思います。
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日本の消費税・世界の消費税は?%の新着情報

消費税増税 家計を見直すなら引っ越し

消費税増税は逆らえないとして、このままの生活でいけば、消費税が上がってから家計が支えられない!というのなら、ライフスタイルを見直す必要があります。


見直しをするのなら、大きい出費からやるのが鉄則です。

その最たるモノは住宅費


もし、賃貸住宅に住んでいるのであれば、実はいまは引越しに好都合なタイミングです。


賃貸住宅の空室率は年々上昇しています。

たとえば、(ちょっとデータが古いですが、)

2008年の賃貸住宅の空室率
(1)福井県 30.1%
(2)山梨県 28.2%
(3)長野県 27.7%
(4)茨城県 27.5%
(プレジデント調べ)

という高い数字。
首都圏でも25%近いところもあります。


これはかなりの借り手優位の状態です。

以前に比べ、敷金0、礼金0という物件の率も上昇しています。

住居費という大物を料理してしまえば、生活水準はいまのままでも驚くほど楽な状況になるはずですよ。

もしも、可能であれば、マスオさんのように妻の実家に引っ越して、世帯をひとつにしてしまえば、出費はグンと減り、楽々な生活が繰り広げられますが。

死亡消費税とは?

死亡消費税」が話題になっています。
死亡消費税は、国民が死亡したときに、その人の財産から一定の税率を納めさせるというもの。社会保障精算税という名目です。
提案では消費税と同じ程度の比率だということです。
それで消費税という言葉を使っているのですね。

2013年6月の週刊ポストで以下のように書かれています。
(週刊ポスト2013年6月28日号より引用)

2013年6月3日、首相官邸で開催された社会保障制度改革国民会議で安倍ブレーンとして知られる民間委員の伊藤元重・東大教授から「経済財政の視点からの社会保障改革」という資料が提出された。増大する社会保障費の財源として、「高齢者医療費をカバーする目的での死亡消費税の導入」が提案された。



たしかに国には大きな金額が入ってきて、高齢者医療費などはカバーされるかもしれません。

しかし、なりより印象が悪く、恨まれやすい税金です。

どうしても死んだ人からふんだくるといったかんじがしますし、死亡消費税によって悲惨な目に合う家族がたくさん現れることになります。

2015年までに消費税10%に【どんどん延期】

読売新聞2011年5月20日付けのニュースより。

社会保障と税の一体改革案(政府が6月下旬にまとめる予定)に、2015年までに消費税率を引き上げ10%にすることが盛り込まれることになりました。

高齢化で毎年1兆円余り膨らむ社会保障費をまかなうには、消費税率の引き上げが不可欠との判断によるものです。

使い道は社会保障目的に限る目的税。

消費税10%

(以下読売新聞より引用)
消費税収は1%が約2・5兆円で、5%引き上げると税収は年12・5兆円になる。政府内ではこの5%分の使い道について
1.社会保障改革による経費増
2.基礎年金の国庫負担の財源
3.高齢化に伴う社会保障費の自然増
4.高齢者医療・介護などの財源不足の穴埋め
それぞれに1%程度ずつ充てる案が有力。
残りの1%分は、消費増税に伴って政府の物資調達費が増加する分に充てる方向という。

消費税15%でも財政悪化

2011年2月20日毎日新聞より。

内閣府が作成した「消費税増税シミュレーション」は
消費税を14年から5年間、
(1)毎年1%ずつ10%まで引き上げる
(2)2%ずつ15%まで引き上げる
の2ケースを想定して作成されました。

結果、15%のケースでもグラフは右上がり。
財政赤字の膨張は止まらないということです。

当時は、鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務相でしたが、
その後首相になった菅さんも、ここまでひどいシミュレーションを国民には伝えられず、
掲げた「消費税10%」も猛反発に合い、頓挫。

このときの「増税シミュレーション」も公表されず、お蔵入りです。

このまま無策状態が続けば、10年度末の借金残高はGDP比180%超(約870兆円)となり、財政危機に陥ったギリシャの130%を大きく上回ることになります。

世界の消費税(付加価値税)の税率一覧

世界の消費税(付加価値税)の税率を数字だけ一覧で挙げます。
2009年の調査によるものです。

消費税が実施されている国は、世界145カ国。

国によっては食料品・医療品などに軽減税率が設けられています。

アジア・中東
トルコ 18%
中国 17%
イスラエル 15.5%
スリランカ 15%
パキスタン 15%
バングラデシュ 15%
ネパール 13%
フィリピン 12%
インドネシア 10%
韓国 10%
カンボジア 10%
ベトナム 10%
モンゴル 10%
レバノン 10%
シンガポール 7%
タイ 7%
台湾 5%
日本 5%

ヨーロッパ


スウェーデン 25%
デンマーク 25%
ノルウェー 25%
アイスランド 24.5%
クロアチア 22%
フィンランド 22%
ポーランド 22%
アイルランド 21.5%
ベルギー 21%
ラトビア 21%
アルバニア 20%
アルメニア 20%
イタリア 20%
ウクライナ 20%
ウズベキスタン 20%
オーストリア 20%
キルギス 20%
サンマリノ 20%
スロベニア 20%
タジキスタン 20%
ハンガリー 20%
ブルガリア 20%
ポルトガル 20%
モルドバ 20%
フランス 19.6%
モナコ 19.6%
オランダ 19%
ギリシャ 19%
スロバキア 19%
チェコドイツ 19%
リトアニア 19%
ルーマニア 19%
アゼルバイジャン 18%
エストニア 18%
グルジア 18%
セルビア 18%
ベラルーシ 18%
マケドニア 18%
マルタ 18%
ロシア 18%
ボスニアヘルツェゴビナ 17%
モンテネグロ 17%
スペイン 16%
イギリス 15%
キプロス 15%
トルクメニスタン 15%
ルクセンブルク 15%
カザフスタン 13%
スイス 7.6%
リヒテンシュタイン 7.6%

北アメリカ


ジャマイカ 16.5%
ドミニカ共和国 16%
アンティグアバーブーダ 15%
ドミニカ 15%
トリニダードトバゴ 15%
ニカラグア 15%
バルバドス 15%
メキシコ 15%
エルサルバドル 13%
コスタリカ 13%
グアテマラ 12%
ホンジュラス 12%
グレナダ 10%
ハイチ 10%
ベリーズ 10%
カナダ 5%
パナマ 5%

南アメリカ


ウルグアイ 22%
アルゼンチン 21%
チリ 19%
ペルー 19%
ブラジル 17%
ガイアナ 16%
コロンビア 16%
ボリビア 13%
エクアドル 12%
ベネズエラ 12%
スリナム 10%
パラグアイ 10%

アフリカ


タンザニア 20%
モロッコ 20%
カメルーン 19.25%
ウガンダ 18%
ガボン 18%
ギニア 18%
コートジボワール 18%
コンゴ共和国 18%
セネガル 18%
チャド 18%
中央アフリカ 18%
チュニジア 18%
トーゴ 18%
ニジェール 18%
プルキナファソ 18%
ベナン 18%
マダガスカル 18%
マリ 18%
ルワンダ 18%
ザンビア 17.5%
マラウイ 17.5%
アルジェリア 17%
モザンビーク 17%
ケニア 16%
エチオピア 15%
カーボヴェルデ 15%
ギニアピサウ 15%
ジンバブエ 15%
赤道ギニア 15%
ナミビア 15%
モーリシャス 15%
南アフリカ 14%
モーリタニア 14%
レソト 14%
ガーナ 12.5%
セーシェル 12%
エジプト 10%
コモロ 10%
スーダン 10%
ボツワナ 10%
ナイジェリア 5%

オセアニア


サモア 15%
ニュージーランド 12.5%
バヌアツ 12.5%
フィジー 12.5%
オーストラリア 10%
パプアニューギニア 10%

IMFが日本の消費税14%〜22%案を提示

国際通貨基金(IMF)は先進国で最悪の水準にある日本の財政健全化のため、2011年度から消費税を「段階的に」引き上げるべきだと提言しました。

「2011年から段階的に消費税率を引き上げ、財政再建を始めるべきだ。
14%〜22%にまで引き上げて行くべきだ。」

と提示。

以下AFPBBより引用。
消費税増税は先の参院選で民主党大敗の最大要因となった争点だが、IMFは国内総生産(GDP)比200%の日本の債務残高を解消するための「早急で信頼性の高い」財政改革の一環として、「段階的引き上げは必要」と指摘。
さらに、財政健全化策について「消費税の段階的引き上げに焦点を置き、来年度から実施すべき」とした。

 また、欧州における財政危機が日本経済の「先行き不透明感とダウンサイド・リスク」を増大させ、多額の負債を抱える現状に厳しい視線が注がれているとも指摘した。

消費税は政権の鬼門

いままでどの内閣も消費税を話題にするたびに国民の大不評を浴びて、力を失ったり倒れたりしてきました。

消費税は政権の鬼門」といわれます。

その歴史を見てみましょう。


1978年 大平内閣
一般消費税」の導入案を出したが、世論の猛反発に合い、衆院選で過半数割れの惨敗を喫し、挫折。


1987年 中曽根内閣
売上税」法案を提出したが、党内外からの反発を受けて廃案となる。


1988年 竹下内閣
消費税3%の導入を成し遂げたのが竹下首相。
しかし、消費税導入による予算審議の行き詰まりから総辞職に追い込まれた。

それを引き継いだ宇野内閣は参院選で大敗。


1994年 細川内閣
消費税を廃止して税率7%の国民福祉税を導入する構想を打ち出す。
世論の大反発を受け、撤回。


1997年 橋本内閣
消費税を3%から5%に引き上げた。
(うち地方消費税は1%)
その後の参院選で大敗し、退陣に追いやられた。


2003年 小泉内閣
消費税課税業者の課税点が売上げ3000万円から売上げ1000万円に引き下げられた。
価格の税込み表示が義務化された。


2009年 鳩山内閣
衆院選で消費税の引き上げを4年間は行わないと公約。
政権交代を実現。


2010年 管内閣
消費税率の引き上げ方針を表明。
「自民党が提案している10%を参考にする」
参院選で過半数割れの大敗。
ねじれ国会へ。


このように消費税を口にした政権は悲しい結末を迎えています。
消費税議論は封印するほうが安全なのです。

ギリシャの消費税

ギリシャ国旗財政危機に揺れるギリシャの消費税「付加価値税(VAT)」は2010年7月に2%上がり、23%になりました。

ギリシャでは3月に19%から21%に上がったばかりで、重なる増税に国民の反発はたいへんなことになっています。
抗議デモが頻発、警官隊に火炎ビンを投げるなどの衝突事件も起きています。

消費は落ち込み、お弁当持参の公務員が増えるなど、現象は日本と同じようです。

国民の反発の原因は富裕層が所得の過少申告をするなど不正が横行していることにもあります。

台湾の消費税

台湾台湾の消費税は「営業税」と呼ばれ、日本と同じ5%です。

1986年に導入されて以来、変わっていません。

2004年に陳水扁政権が財政再建のため税率を6〜7%に引き上げると発表しましたが、野党の反対で挫折。

2009年に与党となった国民党の馬英九政権が年金の財源に当てるため6%に引き上げる、としましたが、これも反対のため撤回となりました。


台湾の領収書には抽選番号が入っていて「宝くじ」になっています。

買ったお客は賞金が欲しいのでみんな領収書をもらって帰り、2ヶ月に一度の当選発表を心待ちにします。
正確な営業記録が残るため、売上げのごまかしができないようになっているのです!

賞金は200〜200万台湾ドル。日本円にすると600〜600万円相当です。

アメリカの消費税

アメリカには消費税がない?

アメリカアメリカで消費税にあたる税金はお店で消費者が商品価格に上乗せして払う「小売売上税」です。

連邦政府ではなく、州や郡、市がそれぞれ課税します。

たとえばカリフォルニア州ロサンゼルス郡の場合なら、州税8.25%+郡税1.5%で9.75%となります。

ロサンゼルスが最高で、最低はオレゴン州やモンタナ州の0%

ほとんどの州で生鮮食品や処方薬には減免しています。


ヨーロッパなどとは違ってアメリカ人は自主自立の気風があるので、手厚い福祉・教育には期待しておらず、増税には警戒心が強いようです。

また、アメリカでは期間限定で売上税を減免する「タックスホリデー」がある州がたくさんあります。
新学期前の一週間、クリスマス商戦時などに売上税を下げて、消費の呼び水にしています。

被災地の救済にも使われます。
ハリケーン「カトリーナ」で被災したルイジアナ州では防災用品の売上税免除が何度も行われました。

※ 一部修正しました。ご指摘ありがとうございました。

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